17世紀イギリスでは、金が豊富にあるという西アフリカのトゥンブクトゥと交易するべく「ロンドン・アフリカ通商会社」が設立され、トンブクトゥに達するためのルートとして、ガンビア川の探検が行われました。

最初にガンビア川を探検したジョージ・トンプソンが現地で亡くなったあと、リチャード・ジョブソンが調査に向かいます。ジョブソンは、ガンビア川流域の人々と、持参した鉄製品で交易をしようとしましたが、もともと鉄や真鍮の細工が得意だった現地の人々が欲しがっていたのは塩だったため、鉄製品はまったく欲しがられませんでした。なお、現地の人たちが塩を欲しがったのは、自分たちで使うためではなく交易品とするためでした。塩の産地から遠い西アフリカの内陸部では、塩にはとても価値があったのです。

ジョブソンは結局金を手に入れることはできませんでしたが、帰国後、この探検の様子を、トンプソンの報告も交えて『ゴーデン貿易』という旅行記として取りまとめました。

参考文献:『世界探検史』長澤和俊

 

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